DAY 06

固定資産と減価償却

May 2026 - Bookkeeping Course

Bloomがオープンして1週間。Harukaさんが念願のエスプレッソマシンを購入しました。
「150,000円か……大きな買い物だったな」

でも簿記では、この出費を「今日全部の費用」にはしません。
長く使うモノの代金は、使う年数に分けて記録する——それが今日のテーマです。

なぜ「減価償却累計額」という別勘定を使うの?
資産を直接減らしてしまうと、「もともといくらで買ったか」が帳簿から消えてしまいます。
別勘定で「今まで何円分価値が減ったか」をメモしておくことで、
取得原価・累計の減少額・現在の帳簿価額を同時に見える化できます。
🧑
機械を買った時、なぜ「費用」じゃなくて「資産」で記録するんですか?
👩‍🏫
買った瞬間に全額費用にすると、その年だけ大赤字になりますよね。
5年使うなら、5年に分けて費用化するのが正直な記録です。これが「費用収益対応の原則」です。

「固定資産の取得から売却まで、一連の流れを仕訳できる」

付随費用の取扱い、定額法による減価償却、資本的支出vs収益的支出の区別、
そして売却時の損益計算まで——固定資産の全サイクルをBloomで体験します。

本日の学習マップ

Day 6は「設備投資の記録」を学びます。長期にわたる資産の管理が、いかに企業の実態を正確に伝えるかを理解しましょう。

固定資産の取得 購入代価+付随費用
減価償却 定額法・間接法
改良・修繕 資本的支出 vs 収益的支出
評価勘定の理解 累計額は資産のマイナス
固定資産の売却 売却益・売却損の計算

AI Director's Eye:資産管理の自動化

ERPやクラウド会計ソフトでは、固定資産台帳が自動で減価償却を計算します。「定額法で5年・残存価額0」と入力するだけで毎期の仕訳が自動生成される仕組みの裏側には、今日学ぶ計算式がそのまま動いています。

エスプレッソマシン150,000円に加え、設置業者への工事費10,000円もかかりました。
「この工事費も、機械の原価に含めるんですか?」

そう——使える状態にするためのコストは、すべて取得原価です。
そして代金は月末払い。この時「買掛金」ではなく「未払金」を使います。

セクション1:固定資産の取得と減価償却

取得原価

固定資産の購入と付随費用の処理

取得原価の計算ルール

  • 取得原価 = 購入代価 + 付随費用(設置費・仲介手数料・登記料など)
  • 付随費用を「支払手数料」等の費用にするのはNG——資産の原価に含める。
  • 代金後払い → 「未払金」(商品以外の負債)。「買掛金」は商品仕入れ専用。
  • 例:機械150,000円 + 設置費10,000円 → (借) 備品 160,000 / (貸) 未払金 160,000
最重要

定額法と間接法:減価償却の計算と仕訳

計算式と仕訳を丸ごと覚える

  • 定額法:(取得原価 − 残存価額) ÷ 耐用年数 = 年間減価償却費
  • 間接法の仕訳:(借) 減価償却費 XXX / (貸) 減価償却累計額 XXX
  • 資産(備品など)は直接減らさない——取得原価を帳簿上に残すのが間接法の目的。
  • 月割り計算:期中取得の場合 → 年額 × 使用月数 ÷ 12
判断力

資本的支出 vs 収益的支出:改良か修繕か

「価値UP」か「現状維持」かで判断する

  • 資本的支出:資産の価値向上・耐用年数の延長(非常階段の設置、耐震工事)→ 資産(建物など)に加算
  • 収益的支出:現状維持・故障箇所を元に戻す(雨漏り修繕、窓ガラス交換)→ 修繕費(費用)
  • 試験では「価値を高める」「耐用年数を延ばす」というキーワードが資本的支出のヒント。
🧑
「残存価額ゼロ」って試験でよく見ますが、毎回ゼロとは限らないですよね?
👩‍🏫
その通り。「残存価額 = 取得原価の10%」と指定される問題もあります。
まず問題文の条件を確認してから計算式に代入する癖をつけましょう。条件が変わっても計算式の構造は同じです。

実習:固定資産の取得・減価償却を問題で確認

3本の動画をNotebookLMに読み込ませ、取得原価の計算・定額法・資本的支出の区別を自分の言葉で整理しましょう。

NotebookLM へのソース追加手順

  1. notebooklm.google.com にアクセスし「新しいノートブック」を作成
  2. 画面左の「ソースを追加」をクリックし「YouTube」または「URL」を選択
  3. 動画① https://www.youtube.com/watch?v=MOR8WF5UHqM を追加
  4. 動画② https://www.youtube.com/watch?v=C1tXaGiIyS4 を追加
  5. 動画③ https://www.youtube.com/watch?v=pPvP1uFf8Uw を追加
  6. 追加完了後、下のプロンプトをコピーして選択式テストを作成する
読み込んだ動画①〜③の内容をもとに、Day6前半(固定資産の取得原価・付随費用・未払金・定額法による減価償却費の計算・間接法の仕訳・資本的支出と収益的支出の区別)の理解度を確認する選択式テストを20問作ってください。各問は4択にし、解答は最後にまとめて表示してください。
定額法の計算に特化した問題を5問作ってください。各問に「取得原価・残存価額・耐用年数・取得日」の具体的な数字を設定し、年間減価償却費と月割り計算の過程を解説付きで示してください。
NotebookLM を開く

3年前に買ったショーケースを、ついに売ることになりました。
「帳簿上の価値は残っているのに、売れた金額は違う……これって損?得?」

「帳簿価額と売値の比較」が固定資産売却のポイント。
月割り計算・評価勘定の正体・売却3パターンを一気に理解しましょう。

セクション2:売却と評価勘定の深化

固定資産売却の損益判定フロー

STEP 1:帳簿価額を計算
取得原価
− 減価償却累計額
= 帳簿上の現在価値
STEP 2:売値と比較
売却価格
vs 帳簿価額
購入価格との比較ではない!
STEP 3:損益を記録
売値 > 帳簿価額
売却益(収益)
売値 < 帳簿価額
売却損(費用)
月割り計算

月割り計算と間接法の仕組みを深める

期中取得・期中売却の月割り

  • 月割り公式:年間減価償却費 × 使用月数 ÷ 12
  • 取得月を含めてカウント(例:10月取得→期末3月まで = 6ヶ月)
  • 間接法では減価償却累計額が「これまで総額いくら減ったか」を示す。
  • 売却時は取得原価と累計額をセットで消すのがルール。
よく出る疑問

減価償却累計額は負債なの?評価勘定の正体

「資産のマイナス」という特別な役割

  • 減価償却累計額は負債ではなく「資産の評価勘定」
  • 通常の資産と逆で、ホームポジションは貸方(右側)
  • B/S上では固定資産のすぐ下にマイナス表示され、現在の帳簿価額を示す。
  • メリット:取得原価が一目でわかり、どれだけ使ったかも把握できる。
売却3パターン

固定資産の売却:期首・期中・期末の違い

タイミングで仕訳が変わる!

  • 期首売却:前期末に償却済み → 当期の減価償却費計上は不要。
  • 期中・期末売却:当期使用分を月割りで先に計上してから売却処理。
  • 代金後払い → 「未収入金」(商品以外)。「売掛金」は商品販売専用。
  • 土地は減価償却しない(使っても価値が減らないため)。
🧑
期中に売った時、なぜ売却の前に減価償却費を計上するんですか?順番が逆では?
👩‍🏫
売却日までの間も資産を使っていたからです。
「4月〜6月の3ヶ月分は使った」という事実を先に記録してから、その累計額を反映した状態で売却損益を計算します。
✍️ DAY 6 の核心

固定資産は「買った瞬間」ではなく「使い切った後まで」記録し続ける——
その誠実な記録が、企業の真の実力を映し出します。

実習:売却損益の計算と評価勘定を問題で確認

動画④〜⑥をNotebookLMに追加し、月割り計算・評価勘定・売却3パターンの計算力を鍛えましょう。

NotebookLM へのソース追加手順

  1. notebooklm.google.com にアクセスし、前半と同じノートブックを開く
  2. 画面左の「ソースを追加」をクリックし「YouTube」または「URL」を選択
  3. 動画④ https://www.youtube.com/watch?v=pbAig18gqpo を追加
  4. 動画⑤ https://www.youtube.com/watch?v=95gTu-gtf7Y を追加
  5. 動画⑥ https://www.youtube.com/watch?v=GsCpbBK1BM0 を追加
  6. 追加完了後、下のプロンプトをコピーして選択式テストを作成する
読み込んだ動画④〜⑥の内容をもとに、Day6後半(月割り計算・減価償却累計額は評価勘定であること・B/S上の表示・期首/期中/期末別の売却仕訳・未収入金と売掛金の違い・土地は減価償却しない)の理解度を確認する選択式テストを20問作ってください。各問は4択にし、解答は最後にまとめて表示してください。
固定資産の売却に特化した計算問題を5問作ってください。各問に「取得原価・耐用年数・残存価額・経過年数(または累計額)・売却価格・売却時期(期首/期中/期末)」の具体的な数字を設定し、売却損益の計算過程と正しい仕訳を解説付きで示してください。
NotebookLM を開く

「設備を買って、少しずつ費用にして、最後に売る」——
固定資産は長い時間をかけて帳簿に刻まれていく存在でした。

毎年の減価償却が、企業の「正直さ」を守っている。
Harukaさんも今日、その意味をじわじわ理解し始めました。

DAY 6 まとめ

取得原価は「使える状態になるまで」

付随費用(設置費・仲介料)は取得原価に含める。後払いは「未払金」(買掛金ではない)。

定額法 × 間接法が基本セット

(取得原価 − 残存価額) ÷ 耐用年数 = 年間償却費。仕訳は借方に「減価償却費」、貸方に「減価償却累計額」。

改良か修繕か:目的で仕訳が変わる

価値UP・耐用年数延長 → 資産(資本的支出)。現状回復・維持 → 修繕費(収益的支出)。

売却損益は「帳簿価額」との比較

売価 > 帳簿価額 → 固定資産売却益(収益)。売価 < 帳簿価額 → 固定資産売却損(費用)。

重要用語チェック

固定資産1年を超えて使用する有形の資産(建物・備品・車両運搬具など)。
取得原価購入代価に付随費用(設置費・登記料など)を加えた、資産取得のための総コスト。
未払金商品以外のもの(固定資産など)を後払いで購入した際に生じる負債科目。
減価償却(げんかしょうきゃく)固定資産の価値の減少分を、使用期間にわたって費用として配分する手続き。
定額法(ていがくほう)毎年同額ずつ減価償却する計算方法。(取得原価 − 残存価額) ÷ 耐用年数。
耐用年数(たいようねんすう)固定資産が使用できると見込まれる期間。税法上の年数が試験では使われる。
間接法(かんせつほう)資産を直接減らさず「減価償却累計額」という別勘定で累積の減少額を管理する方法。
減価償却累計額これまでの減価償却の合計額を示す評価勘定。資産のマイナスで貸方残高。
評価勘定(ひょうかかんじょう)本体資産の価値をマイナスして評価するための特別な勘定科目。
資本的支出固定資産の価値向上・耐用年数延長を目的とした支出。取得原価に加算する。
収益的支出(修繕費)固定資産の現状維持・原状回復のための支出。費用(修繕費)として計上。
未収入金商品以外のもの(固定資産など)を後払いで売却した際に生じる資産科目。

セルフチェック

  1. 備品300,000円・残存価額0・耐用年数5年を定額法・間接法で記録する場合、1年目の仕訳を正しく書けますか?(減価償却費60,000円・減価償却累計額60,000円)
  2. 「雨漏りの修繕工事30,000円」と「耐震補強工事200,000円」のうち、どちらが資本的支出でどちらが収益的支出か、理由とともに説明できますか?
  3. 取得原価300,000円・減価償却累計額90,000円の備品を180,000円で期首に売却した場合の仕訳を書けますか?(売却損30,000円が発生します)

確認クイズ(全5問)

今日の固定資産・減価償却・売却損益の理解度を確認しましょう。

次回予告:Day 7

(Day 7 の内容確定後に記入)