DAY 09(前半)

給料・消費税・法人税等の基礎仕訳

May 2026 - Bookkeeping Course

給与明細を初めて見たHarukaさんが「え、20万円のはずなのに振込が18万円?何が引かれてるんですか?!」と驚く場面。
先輩経理:「その差額の正体こそ、今日学ぶ税金の核心なんです」

消費税って企業が国に納める税金って聞いたけど、うちの会社は消費者から預かってるだけ?
その通り。消費税は消費者が負担し企業が仲介して国へ納める間接税。仮払消費税と仮受消費税の差額だけを納めればよい。この仕組みを理解しないと決算の消費税整理で必ずミスする。
🧑
給料明細で"所得税"と"社会保険料"が引かれてるけど、簿記ではどう仕訳するんですか?
👩‍🏫
所得税は所得税預り金(負債)、健康保険・厚生年金は従業員立替金(資産)として計上。国や組合へ払うまで一時的に預かっているイメージです。

「給料・消費税・法人税等の仕訳パターンを完全習得する」

所得税預り金・従業員立替金・仮払/仮受消費税・仮払法人税等の属性と、日々の仕訳から決算整理まで一気通貫で学びます。

本日の学習ルート

期中の仕訳給料・売買時の消費税・中間納付
決算整理仮払/仮受を0にして未払へ
納付負債・資産を消す

勘定科目一覧(最重要)

勘定科目属性 前TB決算での動き 表示名
所得税預り金負債納付後に消去
従業員立替金資産天引きで回収
仮払消費税資産決算で0
仮受消費税負債決算で0
未払消費税負債仮受>仮払の差額未払消費税
未収消費税資産仮払>仮受の差額未収消費税
仮払法人税等資産決算で0
法人税等費用確定額を借方法人税、住民税及び事業税
未払法人税等負債確定−仮払未払法人税等
租税公課費用固定資産税等租税公課

初めての給与計算業務。「総支給額200,000円なのに…控除が多すぎて手取りが計算できない!」と悩むHarukaさん。

給料の仕組み3層構造

総支給額 200,000円
控除:所得税預り金 15,000円 / 従業員立替金 5,000円
手取り額(振込)180,000円 = 200,000 − 15,000 − 5,000
論点①

給料の仕組みと所得税預り金の仕訳

  • 所得税預り金=源泉徴収した所得税(負債)
  • 従業員立替金=社保等の立替(資産)
  • (借)給料 / (貸)所得税預り金・従業員立替金・現金(差額)
  • 翌月納付:(借)所得税預り金 / (貸)現金

パターン①:給料の支払い

(借) 給料  200,000  /  (貸) 所得税預り金  15,000
                                   従業員立替金    5,000
                                   現金          180,000

パターン②:源泉所得税の納付

(借) 所得税預り金  15,000  /  (貸) 現金  15,000

パターン③:従業員立替金の精算

(借) 従業員立替金    5,000  /  (貸) 普通預金  10,000
             法定福利費      5,000

会社負担分は法定福利費(費用)。従業員負担分は立替金の回収。

🧑
従業員立替金って資産なんですか?なんか変な感じがする…
👩‍🏫
会社が先に払って後で回収するから資産です。給与天引きで受け取ると資産が消えます。家賃の前払いと同じ考え方ですね。

「給料は分かった!次は消費税と法人税…帳簿ではどう記録するんだろう?」と前を向くHarukaさん。

論点②

消費税の仕訳:仮払・仮受・決算整理の流れ

  • 税抜方式:売買ごとに仮払消費税(資産)・仮受消費税(負債)を計上
  • 決算:相殺し差額を未払消費税または未収消費税へ
  • 「仮」のついた科目は決算で必ず0にする
論点③

法人税等の仕訳:中間納付から確定申告まで

  • 中間納付:(借)仮払法人税等 / (貸)普通預金
  • 決算:確定額を費用計上+仮払取り崩し+差額を未払法人税等へ
  • 仮払法人税等は資産なので決算でゼロにする

消費税仕訳パターン

①税抜・商品購入

(借) 消耗品費   1,000  /  (貸) 現金  1,100
             仮払消費税    100

②税抜・商品販売

(借) 現金  3,300  /  (貸) 売上       3,000
                                  仮受消費税    300

③決算(仮受>仮払)

(借) 仮受消費税  180,000  /  (貸) 仮払消費税  130,000
                                          未払消費税    50,000

④決算(仮払>仮受・還付)

(借) 仮受消費税   80  /  (貸) 仮払消費税  100
             未収消費税   20

法人税等仕訳パターン

①中間納付

(借) 仮払法人税等  150,000  /  (貸) 普通預金  150,000

②決算(中間あり)

(借) 法人税、住民税及び事業税  290,000  /  (貸) 仮払法人税等   160,000
                                                       未払法人税等   130,000

③決算(中間なし)

(借) 法人税、住民税及び事業税  20,000  /  (貸) 未払法人税等  20,000

租税公課との違い

固定資産税・印紙税・自動車税は租税公課(費用)。法人税等は利益に課税される3税専用。

種類勘定P/L
法人税・住民税・事業税法人税等費用
固定資産税・印紙税等租税公課費用
🧑
売るたびに仮受消費税を計上するって、仕訳が増えませんか?
👩‍🏫
会計ソフトが自動計算します。でもなぜそう計上するのかを理解しないと、ソフトの間違いに気づけません。

給料・消費税・法人税等の仕訳パターンを学んだHarukaさん。「試験ではどんな形で出るんだろう…」→Day 9後半で実践演習へ。

DAY 9前半 まとめ

給料と所得税

所得税預り金(負債)+従業員立替金(資産)。手取り=総支給額−控除合計。

消費税の2ステップ

期中は仮払/仮受。決算で相殺し未払へ。「仮」は決算でゼロ。

法人税等の3ステップ

中間納付→決算確定→納付。仮払法人税等は決算で消去。

租税公課との区別

法人税等は3税専用。固定資産税・印紙税は租税公課。

重要用語チェック

所得税預り金源泉徴収所得税。翌月税務署へ納付。
従業員立替金社保等の立替を天引きで回収する資産。
仮払消費税仕入時に支払った消費税(資産)。
仮受消費税販売時に受け取った消費税(負債)。
未払消費税仮受>仮払の差額(負債)。
未収消費税仮払>仮受の差額(還付・資産)。
仮払法人税等中間納付時の資産。
法人税等法人税・住民税・事業税の費用科目。
未払法人税等確定額−仮払の残額。
租税公課固定資産税・印紙税等(法人税等とは別)。

セルフチェック

  1. 仮払消費税・仮受消費税の属性を答えられますか?
  2. 仮払50,000・仮受80,000のとき未払消費税は?(答え:30,000円)
  3. 確定200,000・仮払80,000のとき未払法人税等は?(答え:120,000円)

確認クイズ(全5問)

次のステップ:Day 9後半へ

法人税3種の違い(均等割含む)と、消費税の軽減税率・非課税・第3問対策を後半で学びます。